11月2日 第93回 カフェ頼政道 「26年度3回目」 終了しました。
「森先生と学ぶ”れもんカフェ”」
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宇治市認知症カフェ 「れもんカフェ」府立洛南病院森俊夫先生と認知症を学ぶ
2014 11/2 2014第3回 れもんカフェ 今日のランチはなんと松茸ご飯。 松茸の入ったごはんではありません。 松茸のたくさん入った正真正銘の松茸ごはんです。 松茸は買い置きができません。香りが一番、買ってきてその日に料理する必要があります。その上高価です。なん軒かのスーパー、専門店、デパートを回っての事前調査の上本日を迎えました。そのおかげもあって皆に美味しかったと絶賛いただきました。 参加者、スタッフ合わせて60人分の昼食、大変です。季節の食材を求めて、ランチの質を低下させない厨房チームの確かなパフォーマンスと強力サポーターのお陰です。(山田先生はれもんカフェの大フアンです) さて本日も森先生を迎えてのれもんカフェ。 前回の8月のカフェの際に森先生は「認知症を持つ方を社会が、地域がどのように支えるか、それが私たちの問題です」と教えていただきました。認知症を、地域という言葉で考える、地域で支えるという発想がキーワードであると教わりました。そこで今日は、かどさかの企画で「徘徊ロールプレイ」です。 まず、徘徊する方への声掛け訓練から始めました。「徘徊模擬訓練」のカフェ版です。設定は、徘徊者は木幡の踏切に一人不安げに立つ、踏み切りが上がっても、他の方が渡り始めても動かないというものです。スタッフの上野さんが演ずる。声をかける人は、古川さん、山田先生。積極的に参加してくださる。 今度は「ロールプレイ」設定は同じ。徘徊者はスタッフの仕明さん。声掛け人は丸山さん、徳岡さん、藤井さん。今度は徘徊者も声掛け人も演じることが要求されます。7人の方お疲れ様でした。 今後の課題と可能性についてです。 声掛けの方法を皆で学ぶことの重要性と意外な困難を認識することが出来ました。大牟田での徘徊模擬訓練での集大成を皆で確認すること、そしてロールプレイでは相手の立場に立つことが想像した以上に困難であることがわかったが、この技法を使えば従来の方法では到達できなかった気づきを得ることが出来るかもしれないと考えられました。またロールプレイはスタッフと参加者の交流の一場面にもなりました。 他者を演じることは仕草を真似る、言葉をなぞることとは違います。まして上手、下手もありません。演じるその人が自分の生活史を拠り所にして、自らの内部からたぐり寄せた材料を一定の表現の形にすることです。演者がどのくらい生きたかを示すこと、またそれを見るものに感じさせることが重要です。 「認知症漫才」「二人芝居」を一つの試みとして演ずることが新しい世界を切り取るだけではなく、認知症を地域で支えるためにエネルギーを与えられるようになりたい。 カフェ終了後に森先生からいただいたコメントです。 「劇の可能性のお話、私はまったくの素人ですが、認知症をうちからながめる眼差しに『認知症の疾病観を変える』力を感じております。それは二人芝居の草稿を見せて頂いた時からの確信です。 二人芝居は、「記憶の連続性」と「夫婦の関係」という、これまでに私たちが十分に議論し準備してきたこと(あるいは現に内から生きていること)をベースに編みあげられた作品です。その対比でいうと、徘徊のロールプレイは、「視空間認知」と「他者との関係」という、これまでにあまり議論をしてこなかったこと(あるいは外からながめる視軸になりやすいこと)をベースにします。それを思えば、一回目のできばえとしては秀逸でした。徘徊のロールプレイが二人芝居の水準にまで熟成したときが、認知症の人にフレンドリーな宇治が誕生する瞬間と思います。 カフェ頼政道という場が持つ可能性を、一挙に宇治市全体に解放する時が近づいているように思いまます」 森先生ありがとうございました。 追記:カフェ終了後、集合写真をとりました。いい写真が取れました。 |
宇治市認知症カフェ 「れもんカフェ」について
宇治市認知症カフェとは、認知症についての正しい理解を啓発し、誰もが地域で明るく前向きに活動することを目的にした事業で、その呼び名も「れもんカフェ」と言います。25年度に宇治市内4か所で実施され、NOP法人カフェ頼政道もその一つの拠点として、宇治市から事業の委託を受けました。いろいろな事を学べ、生き方についての示唆が得られると思います。
宇治市認知症カフェの活動は新聞記事でも紹介されています。
・平成25年6月20日 京都新聞 記事はこちらからご覧いただけます。
・平成25年7月 1日 朝日新聞 記事はこちらからご覧いただけます。
京都新聞の記事内容を読みやすく、以下に記載いたします。
山城初の認知症カフェ、宇治市と府立洛南病院が開設 初期の認知症患者と家族を支援するため、宇治市と京都府立洛南病院(同市五ケ庄)は、山城地域で初となる認知症カフェを29日に同市槙島町に開設する。医師ら専門職を配置し、早期のケアと治療に結び付けるのが特徴で、9月までに市内4カ所に相次ぎ誕生させる。 認知症患者を地域社会で支える市の取り組みの一環。同病院の医師、森俊夫さんが昨年12月から試行する認知症カフェを引き継ぎ、運営と企画は市福祉サービス公社(同市宇治)に委託する。 症状が軽い初期の認知症は発見が遅れがちで、専門的なケア体制も確立していない。カフェでは患者や家族同士が悩みを話し合うなど交流し、参加する医師や「認知症コーディネーター」の社会福祉士にも気軽に相談できる。地域住民へも呼び掛け、疾病に対する理解や予防を広める。 当面、同市槙島町の地域交流型レストラン「リオス槙島」でカフェを月1回開く。7~9月に東宇治地域福祉センター(五ケ庄)、NPO法人が運営する「カフェ頼政道(よりまさみち)」(平尾台)、西小倉地域福祉センター(小倉町)の順にオープンする。 森さんは「当事者が安心できる『居場所』と、重症になる前に専門職と出会う『前線』の拠点にしたい」と話す。カフェは市民対象で有料。コーヒーや軽食を毎回提供する。 |