カフェ頼政道

「第101回 カフェ・頼政道」 4月5日

終了しました

「フィオリの朗読」


「フィオリの朗読」


11:30~13:00 
ランチ・喫茶タイム
13:00~14:00 

フィオリの朗読
26年4月6日ご来店してから1年ぶり、5回目のご登壇。今年はどんな作品と巡り合えるか楽しみです。
作品に込められた魂を聴衆の前に再現できる今里さんは、俗にいうイタコ(市子)なのかもしれません。私たちは再び、薄明りと静寂の中、言霊に心を支配され喜怒哀楽の世界に引き込まれていきます。フィオリが語ると、作品の心が甦ります。


フィオリの会 20150405
 今日は前回と同様にフィオリの会の10人の方全員揃っておいでいただきました。言うまでもありませんが、「10人全員が揃うこと」ということは大変なことです。この奇跡に近い事柄の原動力を感じながら朗読を聞かせていただきました。登場順に紹介いたします。

1. 最初の質問 長田 弘さん 作
 「今日あなたは空を見上げましたか」で始まる長い詩。その中にでてくる多くの質問。私たちはその幾つか に「はっとする」自分に気づきます。
 その質問に短い時間で答えることは難しいけれど「はっとする」心は若い。

2. 花の下   武田百合子さん 作
 随筆集「ことばの食卓」からの作品です。少し難しい作品です。なぜならそこには緊迫した事件や熱狂はあ りません。一人の老女が、避けがたい老いや静かな死の気配の漂いを、ものを映し出すよう語ります。気を 抜くとわからなくなる。

3. 夫婦げんかの仕方 田辺聖子さん 作
 軽妙なやりとりを大阪弁で語る田辺聖子さんの独特の世界。親しみ、おかしみが皆さんを和ませ、笑いを  誘います。

4. 母 ~オモニー~  姜 尚中さん 作
 姜尚中さん初の小説の朗読です。戦前から戦後を在日として家族を守るために、ひたむきに生きてきた姜 尚中さんの母の物語です。彼女の熊本弁の温かさは人の心を捉えます。胸に込み上げてくるものがありま す。

5. 「どっこいしょ」「さかなやのおっちゃん」
  参加者も参加、皆で朗読です。

6. 一輪草 高森和子さん 作
 40年くらい昔でしょうか。NHKのドラマ「けったいな人々」を週1回みるのが楽しみでした。その中で女将さ ん役だった高森さんのエッセイ集からの朗読。「けったいな人々」では西山嘉孝さんとご夫婦役で西山さん はとぼけた味、高森さんはテンポのよい大阪弁で、くどくないせりふ回しが印象に残っています。このエッセ イも彼女の芸風と同じで大切なことをさらりと聞かせます。

7. 九十歳のおばあちゃんに学んだ大切なこと 小山 薫堂さん 作
 自然豊かな京都の清滝の里山にひっそりと暮らすおばあちゃんの人生への向き合い方をなにげなく、ぽつ りぽつりと語ります。「人はな、自分が気張らんと幸せにはならへん。ほかの人がいくらがんばったって、自 分は幸せにはなれんのよ」 私の母の言葉のようです。

伊藤和子さん、今里弘美さん、岩城貞子さん、梅原陽子さん、金沢重子さん、川口繁子さん、楠井智子さん、竹内友子さん、服部畝美さん、山本和子さん。ありがとうございました。
来年も10人揃ってのご公演を楽しみにしています。よろしくおねがいいたします。