「特別 カフェ・頼政道」 2月19日
終了しました
「科学する心」 山田康之先生 講演 御蔵山小学校
特別カフェ「科学する心」 山田康之先生 講演 御蔵山小学校
(このカフェは御蔵山小学校6年生のみ対象で一般公開はされません)
洛南タイムズ 2013年2月20日 掲載記事
「甘えず、志を立てて生きて」 御蔵山小6年生 元保護者の山田さん(京大名誉教授)が講演
6年生に自身の生き方などを語りかける山田康之さん(御蔵山小)
宇治市立御蔵山小学校=木幡御蔵山、今西義右校長、1049人で19日、京都大学名誉教授の山田康之さん (81)木幡南山、植物分子細胞生物学=を迎えた課外授業があり卒業を控えた6年生170人が山田さんの話に聞き入った。
山田さんは奈良先端科学技術大学院大学の元学長。IPS細胞研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥さんは同じ大学で勤務し、昨年11月には山中さんと共に文化勲章を受章している。御蔵山学区に開設している地域の3世代が集えるコミュニティカフエ「頼政道(よりまさみち)」の取り組みにも協力し、一昨年5月に東宇治高校で開いた「東日本大震災チャリティーコンサート&講演会」 (学校・「頼政道」など共催)では地震学を専門にする京都大学名誉教授の講演
開催などに尽力。
開校まもない御蔵山小、東宇治高校には息子が通っていたという元保護者でもあり、この機会にぜひ地元の子どもたちに研究一筋に歩んできた自身の思いを語ってもらおうと山田さんの人柄を知る「頼政道」代表で医師の門阪庄三さん(65)らが学校に打診とんとん拍子で話がまとまり、地元の校区内に住む大学の元先生を迎えた特別授業が実現した。
「科学する心」と題した講演では自身が小学生時代に先生から教わったという幕末の先覚者・
橋本左内が残した言葉「稚心を去れ」 「立志」=いつまでも親に甘えず、こころざしを立てよと
いう言葉や、他人が見ているかどうかに関わらず、自分が正しいことを行うジェントルマン(紳士)、
レディ(淑女)の心構え。孔子の「恕」(じよ)相手の心を思いやる、画家の熊谷守一(1880~1977)
が残した三風五雨」(晴れているのは10日のうち2日しかない)という人生訓―‘など、自身の
生き方に影響を与えた言葉を児童たちに紹介。
6歳の時に母、18歳で父を亡くし、経済的な理由で大学の専攻課程をやり直しながらも寝食を忘れて研究に励んだ末に得た研究者としての栄光、達成感をノーベル賞を受けた山中さんも引き合いに語り、「頑張っていると世の中は公正で、研究の道が開けていく。山中さんもそうですよ、そんなにスースーとは上がれませんよ」と教え諭した。
次第に盛り上がる話の展開に、児童たちは私語も無く聞き入り、質疑応答で好きな科目の話になると女子スキージャンプの高梨沙羅さんや五輪のレスリング競技の行方などの話題も飛び出し、あっという間に時間オーバー「次の時代は君たちの肩にかかっていますよろしくお願いしますまた機会があったら話しましょう」と述べ、さわやかにランチルームの会場を後にした。 【岡本幸一】
特別カフェ 「科学する心」のお礼
昨日 1月19日午後、御蔵山小学校のランチルームに集まった6年生170人と今西校長と6年担任の先生を前に山田康之先生の特別授業が開かれました。
数社の新聞に記事が掲載されましたので皆さんご存じだと思いますが、報告いたします。
まず、先生自身の生い立ちの話、それから小学校の児童の時の教諭奥正先生から教わった福井藩藩士の橋本左内の啓発録の中から「稚心を去れ」「志を立つる」を紹介され、中学に進む6年生にこれからの気持ちの持ち方をわかりやすく説明されました。続いて論語から、相手の心を思いやる意味の「恕」について触れ、いじめ問題にも言及されました。この授業の後半の質問の時間には、「挫けたことはありませんか」という児童の質問に、山中伸弥教授の話を紹介されるとともに、熊谷守一画伯の「三風五雨」の言葉を白板に書いて、人生の難しさを諭すだけでなく、勤勉さの先にこそ栄光があるのだと教えられました。
授業中6年生の全員は私語もなく、皆んな頭をあげ、山田先生を注視し、聞き入っていました。そして緊張の中にも子供らしいのびのびした質問も飛び出して充実した授業となりました。
門阪の不手際でスライドが使えないとわかっても気分を害することなく、ホワイトボードで講演してくださった山田先生、ありがとうございました。御蔵山小学校に一緒に出向いていただいた前川幸代さん、ありがとう。
御蔵山小学校の今西校長や6年の担当の先生方にはカフェ頼政道の活動に共感して頂き、この授業を開いて頂いてありがとうございました。私たちは今後も地域と学校が多くの場で交流できることを願っています。
2013/02/20 門阪 庄三