カフェ頼政道

「第112回 カフェ・頼政道」 11月15日

終了しました

「山田先生と門阪先生の『生き方総論』」


「山田先生と門阪先生の『生き方総論』」13:00~14:00


11:30~13:00 
ランチ・喫茶タイム
13:00~14:00 

山田先生と門阪先生の「生き方総論」
2012年に山中教授等と共に文化勲章、昨年12月にはカフェ頼政道で第1回宇治市民栄誉賞を授与された山田先生と、かどさか内科クリニック院長およびカフェ頼政道店長である門阪先生の対談です。
テーマは何と「オシメとおむつ」。人生の最終章を見据えて、両師が生き方を語ります。「頑張りましょう」でなく「生き切るための知恵」を学びます。


112回 11月15日 カフェ頼政道 「生き方総論」

 本日は山田 康之先生との対談です。
 山田先生について改めて紹介するのはちょっとためらわれますが、対談の意味を皆さんご理解いただくためにさせてください。
 植物細胞分子生物学者である山田康之先生は京大名誉教授であり、奈良先端科学技術大学院大学元学長です。先年文化勲章を受章され、昨年、第1回宇治名誉市民賞を受賞されたことは記憶にあたらしいところです。
 そのような栄光の歴史は先生の一面でしかありません。その歴史の側面も知っていただかなければなりません。研究に没頭されていた1993年、進行前立腺がんと告知されたのです。その後に放射線治療や高密度焦点式超音波治療など受けられ、闘病20余年の今は人工肛門のケアを自分でしながら、常におむつをする生活です。それでも杖を手に外出し、今でも月1回の東京の学士院に出かけることもされています。
 また先生は以前から地域社会に貢献したいという強いお気持ちを持っておられました。その考えがカフェ頼政道設立の思想的基盤でもあり、3年前のNPO法人への組織転換の原動力にもなりました。
 そんな先生をお迎えしての対談です。
 対談企画のきっかけは「私がおしめをしていることをみんなに知ってほしい」という先生の言葉です。それは「おしめをするようことになってもできることはたくさんある」という先生の健康観や人生観です。先生の考えをカフェ頼政道みんなで共有したい、という考えから進めた企画です。
 さてこの対談のキーワードの一つは“Tomorrow is another day”
山田先生の好きなPEANUTSの中のスヌーピーのセリフです。
山田先生はいくつかの大きな生命危機を経験されたとは思えないほど淡々とご自分の病気のことを説明された後、ご自分の生活に触れられます。
そして最後に“Tomorrow is another day”と言われる。
 「私はこの言葉が大好きです」
 映画「風と共に去りぬ」の最後のシーンでのスカーレット・オハラのセリフでもあるとのことです。日本語版PEANUTSには「おやすみ、親友・・・ 明日は新しい日だ、どんなすばらしいことがあるか分からないぞ!」との訳がありますが、「明日は明日の風が吹く」との考えもあるとのことです。
 私たちは普段生きていることは当たり前に思っています。病気や死は遠く離れた世界、自分とは縁がないように思うかもしれない。けれどそうではない。かどさかは最後に「人間は素晴らしい。白血病、大腸がんの2人の方の看取りの経験から大切なことを学んだ。もう命が絶えるとわっかた時でさえ人は感謝を、愛を残った者に伝えることができる。亡くなることは無となることではない。いのちはつたえ、つながれるものです。(皆さん黙って去ることのないように)」
 山田先生ありがとうございました。