カフェ頼政道

「第71回 カフェ・頼政道」 10月6日

終了しました

「斉藤さん親子ショー」 マジック&落語

宇治橋商店街サイトー写真館より 『斉藤さん親子ショー』

前半:マジック
中学生の齊藤君より、日頃練習したマジックを披露していただき、おとうさんの前座を盛り上げてくれました。

後半:落語「子はかすがい(手別れ・下)」
いつものカフェが寄席に早変わりです。あの緊張感がたまりませんね。昨年に引続き2回目のご登壇、迫力の本格的名演をお楽しさせていただきました。

10月6日  暑いくらいの好天です。ひたいに汗、汗の紋付き姿の師匠が登場。 頼政道演芸場の本日の出し物は、落語と色物のマジックの二本立て。落語はお父さん、マジックはジュニアです。

斎藤さんは、日本大学を出てから、五代目柳家つばめさんのお弟子になられて、二つ目になった所で家庭の事情で家業の写真館を継承されたという本格派です。今回の出し物は「子は鎹」(別題 子別れ)です。3年前に離縁した大工の熊さんとお光の復縁に子供の亀坊が一役買ったという人情話をサイトー写真館のご亭主が45分間の大熱演でした。

斎藤さんの落語に登場する人物は、実に人間らしい。子供は子供らしく泣いたり喜んだりします。また女性は女性で前回の「締め込み」同様、女性のいじらしさや可愛さが出ていて気持が良い。離縁した後、炭屋の二階に間借りして、近所の仕立て物をしながら亀坊を育てているというお光さん、決して熊さんの酒や女の過去の失敗をとやかく言わない。「酒があの人をぐうたらにしたのだ」。 熊さんの子供の亀坊を思う気持ちもいじらしい、「俺と会った事はおっかあには内緒にしろよ」と五十銭の小遣いを鉛筆代に差し出す。それを隠した亀坊を咎めたお光のセリフが泣かせます。「貧乏はしていても、おっかさんはおまえにひもじい思いはさせていない…これでぶてば、おとっつあんが叱るのと同じ事だよ。さ、どこから盗ってきたか言わないか」のタンカは心にしみますね。斎藤さんの江戸弁の心地よさ、男の江戸弁と女の江戸弁の畳み掛けるようなリズムに参加者の気持ちが緊張し、そして男女の人情が、親子の人情が胸に刺さって参加者を泣かせます。息もつかせぬ45分でした。お見事な一席でした。

それから本日の前座の斎藤 喜郎くんのマジックが出色です。
50人の観衆の前に立つだけでも緊張するところですが、コインマジックやカードマジックを鮮やかに決めました。マジックのことだけではありません。お父さんと一緒に日曜日にボランティアに来てくれる、これだけでも素晴らしいのにマジックまで披露してくれるとは・・・。来年の登場が今から楽しみです。