カフェ頼政道

「第61回 カフェ・頼政道」 4月7日

終了しました

カフェ頼政道 3周年記念 講演 山田康之先生

2012年文化勲章受章 山田康之先生をお招きして 講演会
昨年11月、山田洋次監督や山中伸弥教授とともに文化勲章を受章された山田先生の功績を、改めてカフェ頼政道で祝福しましょう。そして、これからの時代を私たちはどう生きるのか、次の世代に何を残していくのか学びたいと思います。また山田先生のご指導によって、カフェ頼政道はNPO法人に組織化されます。更なるご支援をお願いいたします。

4月7日の第61回カフエ頼政道は3周年記念と山田康之先生の文化勲章受章の祝福をかねて山田先生に講演をしていただきました。

改めて山田先生の主な職歴を記します。
1931年生まれ。
57年 京都大学農学部卒業。
59年 同大大学院農学研究科修士課程修了。
62年 米国ミシガン州立大学農学部フルブライト奨学研究員。
82年 京都大学農学部教授。
97年 奈良先端科学技術大学院大学長。
99年 文化功労者。米国科学アカデミー会員。
01年 ミシガン州立大学名誉理学博士。
植物細胞培養により医薬品などを効率よく生産する技術を確立。米国国立アカデミー外国人会員。日本学士院会員。日本学士院賞受賞。
そしてご存知のように12年11月文化勲章されました。

数々の賞を受賞し、多くの会にも所属され、多数の人を育てられました。

当日の朝は、時折激しい雨が降り出足を心配しておりましたが、講演前にはすっかりあがり参加者もぞくぞくと増え、満員御礼となりました。
最初にOHPで、色白でハンサムな先生のスナップ、学生寮での踊る姿、ご結婚写真(新郎32才、新婦29歳)、宮内庁での学士院賞授与式の姿などが次々と映されました。
そしていよいよ講演です。

人は雄大な自然や偉大な人を前にした時思わず息を呑み言葉を失います。 私がそうでした。 「骨太の日本男子」を目のあたりにし、私はすごく感動を覚えました。  話の大半は安政の大獄で生涯を終えた橋本左内の「啓発録」を下敷きに先生独自の解釈と実践のお話しでした。 
次にその要旨をあげさせていただきます。

山田先生の啓発録(=頼政道録) 概要

第一章 「幼稚な心を去るということ」
自立心を持ち、他人に甘えず死ぬ前まで頑張る。
先生は今でも自分の食器の下洗いをする。

第二章 「気概を発揮する」
心身共に元気で楽しむ。小さな楽しみはどこにでもある。
東洋亭のハンバーグは1050円ででうまい。 
リーガル・ロイヤルのバイキングは70歳以上が3割引でお値打ち。

第三章 「志を立てる」
生きる目標をたて一日一日を大切に無為に過ごさない。
「学ぶことに努力する」
公園でゴミを拾う人に感謝。

第四章 「学ぶことに努力する」
目標を立て記録する(書く)が大事
自分の特技を伸ばす(=例 数学を学ぶ)。

第五章 「交際する友人をよく選ぶ」
仲良き友を持つ 。自分の悪いところを指摘してくれる「争友」を持つ。
我が喜びに友は舞い、友の憂いに我は泣く。

第六章(付録)青春とは  訳 サミエル・ウルマンより

「・・・・
人生の特定の時期を指すのではなく、心のあり方を言うのだ。
年齢を重ねるだけでは老いはない。
年を重ねるだけでは老いはない。
理想を失った時、初めて老いる。
年が六十であろうと十六であろうと、心に美しさ、希望、歓喜、勇気、活力を持つ限り、その人は青春にある」

講演をふりかえって
死、老い、病気、尊厳死、介護とシリアスな内容であったが難しい話は全く無く、ご自分の病気の自虐ネタを連発され、ユーモアあふれるお話に参加者は思わず引き込まれてしまいました。
私は先生と奥さんの馴れ初めや家庭の事をお聞きしたかったが、いつしかそんな下世話な事を聞く気持ちは無くなっていました。 大変なご病気にもかかわらず先生の今の平穏な精神は大変な苦渋と努力の末に至ったと思われます。
体が痛い、世間のせい、齢のせいとつい不満を抱く私はとても恥ずかしく思いました。 
いつも客席から突っ込むHさんも本日はしんみりとし、先生から「今日はどうしたの? いつもの君の突っ込みは憎いほど的を得ている。 きっとあなたは頭がいい」と逆につっこまれ大爆笑となりました。
最後に、門阪先生が「頼政道啓発録」の揮毫を山田先生に依頼され、カフエに長く掲示されることになりました。

第二部は小島義治氏の「ダニーボーイ」を独唱です。
最初に、曲の説明があり、初老の渋いバリトンがカフエに流れました。
アイルランド民謡のこの曲は戦争に行って帰ってこない息子の事を歌ったものと言われています。
9・11(同時多発テロ)で殉職した消防夫達の葬儀の式で、大型スルリーンに
遺影が次々映され、バックにこの唄が流れニューヨクーク市民の涙を誘いました。
「あなたが帰った時 
もしすべての花は枯れ 私がこの世にいなかったら
どうか私が横たわる場所を見つけ 祈りをささげて欲しい
あなたが私の上をそっと優しく歩いて 愛していると告げるとき
私は安らかに眠れるでしょう 」

本日のカフエはいつもより「中身の濃い」ものとなりました。
「とてもいい話がきけた」とのお声も多く頂戴しました。
また、浅学の私には多くの事を学ぶチャンスとなりました。
山田先生のこと。 橋本佐内の啓発録。サミエル・ウルマンの青春の歌。
ダニーボーイ etc

最後に、
山田先生他のご指導によって目指していた「カフェ頼政道のNPO法人化」もいよいよ実現しそうです。 多くのご支援ありがとうございます。

もっと山田先生から多くのお話をお聞きしたく、またの機会を期待しております。
山田先生いつまでも元気なお顔をカフエに見せてください。
                                                  T・K

2013.4.7 2013.4.7
2013.4.7 2013.4.7
2013.4.7 2013.4.7
2013.4.7 2013.4.7